【コネヒトーク5th「ママリ、クックパッド、BASEのCTOが語る!組織づくりや技術選定について」】に行ってきました

コネヒトーク5th「ママリ、クックパッド、BASECTOが語る!組織づくりや技術選定について」

https://connehito.connpass.com/event/141459/

に行ってきたので、そのときのレポートです。

自己紹介

コネヒト CTO:伊藤さん

クックパッド CTO:成田さん

BASE CTO:川口さん

お題1:「CTO を打診されたときや、就任時の心境は?」

共通点として、それぞれ、2代目 CTO であること。

それを踏まえてのディスカッション。

川口さん

CTO になる前は、漠然と、同じようなテックリードなどを育てていくことになると、キャリアパスを考えていた。

ある日、初代 CTO の方から、CTO やらないか?と言われた。

理由を聞くと「まかなわなければいけない範囲をまかないきれなくなったので」だった。

そこで、技術に特化した範囲を担当する(経営にはあまり触れない)範囲であれば、やりますとなった。

伊藤さん

CTO に、ランチのときに、やってくれないか?と言われた。

CTO は辞めて、新しいチャレンジをしたいという背景だった。

迷ったが、迷ったら一番難しいことをやろうと決めていたので、やりますと回答した。

また、CTO という責任のあることをやるのはやりがいがあると思った。

成田さん

CTO になったのは結構前(2016年)

打診を受けたときは、ワクワクした。(「やっていいんだ」と思った)

もともと、CTO になったらやってみたいことがいくつかあった。

前の CTO を見ていても、自分だったらもっと上手くできると思う部分があった。

ただ、数年経って、前の CTO を改めて思い起こすこともでてきた。

お題2:「CTO って何をしているのか?」

川口さん

今日は、採用関係のことをしたり、技術マネージャーと MTG したりとか

リリース関係の優先度の判断をしたりとかを主にしていた。

結構 CTO になってから、採用周りの仕事は増えた。

質問:前 CTO との住み分けはどうしているんですか?

面接に来たひとにとっては、前 CTO が判断したほうがいいときとかもあって、

会社経営に関しても、前 CTO に任せている。

川口さんは、プロダクトに責任をもつようにしている。

成田さん

CTO として、いま困っていることをやるのではなくて

1 年後とか 3 年後とかに困りそうなことを対応しなくてはいけない。

そのためにはインプットが必要で、

あらゆるエンジニアの分報を確認したり、他の CTO の方の話を聞きに行ったりしている。

伊藤さん

経営会議などに出たりしている。

マネージメント業務を意図して自分に寄せている。

コードは書きたい気持ちもあるが、その気持ちは抑えて、

戦略を考える時間を多くするようにしている。

お題3:「事業会社の CTO としての大変さは?」

例えば、事業会社だと、0 -> 1 でスクラッチで開発する機会が少なく、

挑戦だったりモチベーションの対応とかどうやっているのか?

成田さん

クックパッドは 20 年近いシステム

それを改善していくのが日頃の業務。

確かに、技術的なチャレンジをどうするか?

グロースするにしても、CM 打ってもあまり変わらないとか、アプリランキングが上がっても下がっても売上に影響ないとか。

そういうフェーズに来ている。

なので、日頃の業務が楽しいと思える人が活躍できる現場になっている。

成田さんは、そういう中で、現場のモチベーションを保つように意識している。

伊藤さん

ある程度、新しい技術を取り入れる事に関しては

方向性を示していかないといけないのかなと思っている。

川口さん

PHP 界隈では大きなシステムになってきている。

逆に、PHP 書けないと入社できないのかなと思われるのが良くないと思っている。

そこで、新しい技術を取り入れることも考えるが、

PHP で作ったほうがスピードが早かったりもする。

そういう面で、悩んだりはする。

成田さん

そういう時に、マイクロサービスなのかなと思っていて、

マイクロサービスは失敗がしやすいと思っている。

新人が入って来た場合は、既存の技術スタックを学ばないといけない側面があるが、

失敗がしづらいと思っている。

成田さん含め、失敗してきて積み重ねてきたのが今を作っている。

Rails 以外にもバックエンドだと、Go, Rust, Java など使っている。

質問:ハレーションなどはありませんでしたか?

既存のシステム構成だと、デプロイのスピードが早いというメリットがあったが、

マイクロサービスを取り入れると、整っていない環境になってしまうので、

メリットが感じられず、反対意見が多かった。

環境が整うと、誰も何も言われなくなった。

Q & A

Q1CTO をしている上で、決断を迫られるとき、苦境に立たされたときにどのようなモチベーションを保つようにしているか?

成田さん

苦境はメッチャある。

苦境は基本、人にある。

目の前にいる人が働いていて楽しくないとか、そういうことが苦境になる。

そういうときのモチベーションはサービスにある。

会社の中の揉め事は、サービスに関係ない。

川口さん

成田さんとほとんど同じ。

僕らが立ち止まっていても、お客さんは知ったことではない。

サービスを使っているのはお客さんなので、

決断を求められたときの判断材料は、サービスのためになるかどうか。

伊藤さん

二人とほとんど一緒。

最後の判断基準はプロダクトだなぁと思っている。

サービスのことを考えて、意思決定をするようにしている。

成田さん

もともと成田さんはインフラをやっていたので、ログをよくみていた。

それが心の支えだった。(ログの向こうに、ユーザを感じることができる)

エンジニアがクックパッドに入るが、相性が合わずに辞めていくことが残念だと思うが

それよりもサービスが止まっていることのほうが問題。

川口さん

同じく、サービスが止まっていて一番困るのはお客さん。

また、それぞれのエンジニアの中で、サービスが止まっているときの不信感を考えながら

判断をするようにしている。

Q2:「それぞれの理想の CTO はいますか?」

伊藤さん

ないです。

その中で、前職の CTO の人が、どんどん周りを引っ張っていくタイプだったが

その人に「同じようなことができない」と言ったところ

「自分にしかできないことがあるので、同じようにしなくてもよい」と言われた。

なので、明確な理想はなくて、自分で作っていくしかないんだろうなと思っている。

川口さん

ユーザになりきれないサービスを担当していて、困ったことがあったが、

やっぱり、いとうなおやさんはすごいなと思う。

成田さん

従業員がユーザになれるサービスはとてもいいと思う。

伊藤さん

ママリとかは、男はどうしてもユーザになれないが

そこは、ユーザではないからこそできることもあると思っている。

それが、データドリブンだったりとかそういう手段があると思う。

そもそも、コネヒトとして掲げているものがあるので、そこをモチベーションにしていることもある

川口さん

前職で、乙女ゲームをしていたが

会社ではユーザではなくお姫様と呼ぼうと言われていた。

ので、いまだにユーザと呼ぶとドキドキする。

成田さん

自分も同じで、前職はユーザと呼んでいなかったので

クックパッドでユーザと呼んでいるとドキドキする。

Q3:「中長期の技術戦略を考える上で、どういった進め方をしているのか?例えば、製品に直接関わらない技術改革などを、どうしているのか?」

成田さん

あまりそういうことは、現状していない。

いままでの CTO やエンジニアを踏襲しているフェーズ。なので変えてない。

未来に向けて動くというのは、そういうところではなくて、どっちかというと

インサイト:従業員の気づいていないことにどう気づくか?

に目を向けるようにしている。

なので、過去 3 年分の記録を追ったりして、みんなが気づけないことに気づくようにしている。

長期的に見る目線が大事。

伊藤さん

まだ行動に移せていることはないが、

伊藤さんが CTO になったときに、経営陣が刷新された。

新しい経営陣のビジョン等を聞いて、CTO としてどうコミットできるかを考えているところです。

川口さん

経営に関することは、他の人に任せていて、

技術戦略を考えないといけないが、いまはまだできていない。

そこで、3 年後とかのために、材料を集めているところ。

成田さん

採用を通す人が変わった。

この人が入ると会社が変わるのかな?という目線で考えるようになった。

現場にちょっとと思う人でも、会社にとって良い行動を起こしてくれる人なども

採用していかなければなと思っている。

お題4:「CTO として今後やっていきたいことは?」

成田さん

成田さんが CTO をやっている理由が、クックパッドのミッションを達成するのが好きだから。

だが、結局は人だと思う。

成田さんが学生のころ、友達の部屋によく遊びに行っていた。

そういう、みんなが集まるような場にクックパッドもしたいと思うようになった。

そういう文化が、組織を強くして、サービスを強くするんだと思うようになった。

川口さん

いまのサービスを日本で 1 番にしたい。

ただ、その思いは、自分がインターネットが好きだから。

だからこそ、インターネットに貢献したい気持ちがある。

CTO は責任をもらっていて、それが重要だと思う。

最終的な決定権は CTO になると思う。

採用に関しても、インターネットに貢献できる人を採用できるようになったのが良かったと思っている。

伊藤さん

家族を幸せにするサービスを作りたいと思っている。

伊藤さんは自由に育てられた。それをなんとも思っていなかったが

大人になって、恵まれていたと思うようになった。

家族に対して、幸せにしたいと思うようになった。

そこにコミットしていきたいと思うようになった。

CTO として、そういうことをしていきたいと思うようになった。

ビジネスにテクノロジーが貢献している会社がテックカンパニーだと思う。

家族を幸せにしたいというビジョンに対して、テクノロジーを使って貢献していきたいと思っている。

【コネヒトーク3rd「ここでしか聞けない!ブランド化するサービスの裏側を大公開」】に行ってきました

コネヒトーク3rd「ここでしか聞けない!ブランド化するサービスの裏側を大公開」

https://connehito.connpass.com/event/104037/

に行ってきたので、そのときのレポート

 

TKY+N LAB & DESIGN inc.  代表 タカヤ・オオタ さんから

Corporate IdentityCI)について

3つの要素で作られている。

  • mind identity
    どのような意思をもって作られているのか?
  • behavior identitiy
    我々はどんな行動をとるのか?
  • visual identity
    どんなロゴがいいか?全体的にどのようなトーンでつくればよいのか?

その中の一つとして、ロゴっていうのもあるということ。

なぜ、スタートアップのCIを担当しているのか?

  • 社会に対しての課題を明確にしているから思想が現れやすい。
  • story が大事。

UIの体系化と飽和化

いろんなUIが出てくるのが、昨今激しくなっている。

例えば、kurashiru と delish kitchen で比べたときに

こっちでできることがこっちでできないということが薄くなってきた。

これまでは、機能優位性で戦って来たが、これが飽和化してくると

使う理由が「ブランド」になってくる

なので、ブランドデザインは大事

株式会社Hotspring 代表取締役 有川鴻哉 さんから

事例照会

いま、ズボラ旅というサービスを展開している。

ブランディングを意識したサービス作りについての話をしようと思います。

私が考えるブランディング

  • サービスを主観ではなく第三者の目線で捉える
  • ものごとを考えるときの主語を「ユーザー」「社会」にする。
  • それによって、社会にどういう変化が起きるのか(小さなものでもいいから)を意識する。

 

ズボラ旅はLINEで完結するサービス

UILINEのまま。

ブランドを伝える唯一の手段はLPだけ?

 → ブランドのみで戦う。

ブランディングは見た目だけじゃなくて

サービスのアピールとかも含まれる。

ブランディングドリブンなサービス作り

全てはプレスリリースから

最初に、

機能追加することよりも、プレスリリースのような記事を書いてみるのが大事。

  • 機能、サービスを一言で表す
  • どんなメリットがあるのか、どんな社会になるのか
  • なぜ今そのサービスが必要なのか?機能追加するのか?理想と現実のギャップを埋める

一人よがりのコミュニケーションにならないようにしよう

誰に何を伝えて、どんなアクションをしてほしいか?それだけ徹底的に考えましょう。

例えば、「xx億円調達しました!」とかだけだとダメ。

それによってどのように社会が変わるのかを伝えないとダメ。

応援される、愛されるためのひと手間

これをやることでユーザに愛されるサービス作りができる。

サービスの中には必ず「人」がいる
その人を感じとってもらえるようにしよう

正直であること

サービスや昨日は失敗することもあります。
けど、そこで、どうして失敗したんだということを問いかけることが大事。

事例として、キャンペーンをやったが全然盛り上がらなかった。

  • twitter で、「キャンペーンのハードル高い?」と聞いてみた。
    • 「そもそもキャンペーンってなに?」という回答が多かった。
    • 質問をすることで、ただのキャンペーンとみせかけて、ユーザに知らせることもできる。
    • 素直に、ギャップがあったのでリトライさせてくださいということを伝える。
    • アンケートに答えることで、自分が協力したので、もう一回行ってみよう感をユーザに出すことができる。

コネヒト株式会社 代表取締役社長 大湯俊介 さんから

「ママリにおけるリブランディング」

世に出たサービスのリブランディングについて

2018年にリニューアルをした。

裏側公開ということなので、そういう話をしようと思います。

 

ママリはいま、世の中のママの3人に1人くらいが使っているサービス

業界最大なのに、軸がなかった。

そうすると、あらゆる場所でブレが生じてしまった。

  • 社外発信についてだったり
  • コンテンツの記事の内容だったり
  • 営業の人の性格性だったり。

そこで一旦、サービスの軸を決めようとなった。

その手段としての、リブランディング。

ユーザ、全従業員を巻き込んでつくった。

ユーザへのアンケートも行なった。

ママリはどういうサービスか?ということを twitter で聞いた。

また、従業員(当時半分くらいがユーザに近い存在)にアンケートもとった。

結果、そこから、

「ママの一歩を支える」

というテーマと、それを説明する文章を作った。

軸も作った

  • 自ら選ぶための知識を提供する
  • 一歩踏み出す自信を育む
  • 行動したママを受け入れる社会をつくる

ロゴについても、軸に則したストーリーも埋め込んだ

リブランディングをしたことによって

みんなの焦点が合うようになった。

まとめ

リブランディングは

  • サービスの使命を組織内にも浸透させる絶好の機会
  • 軸を起点にした新しい未来がみつかる好機

パネルディスカッション

質問に対しての Q & A 形式でパネルディスカッションが行われた。

Q1.

リブランディングの数字、KPIについてどういうふうに定めていますか?

A1.

オオタさんから

社内での意識だったり、ユーザの声を形にして落とせたか?という話のほうが大きいと思う。

指標でいうと、そのシンボルはどのように今後使えるのか?いろんなところに露出したときにクリエイティブとして使えるのか?ということをみたりする。

有川さんから

今後軸を考える上で、どのくらい使いやすくなったか?というところから測れると思う。

大湯さんから

発信に使いやすいとかの設計ができてるとか、どういう人に使ってほしいんだっけということを考えるのが大事なのかなと思う。

 

Q2.

「ママの一歩を支える」ということに、日々の業務が繋がっていることを意識するために工夫していることはありますか?

A2.

オオタさんから

特になし。

有川さんから

プレスリリースしてみるかな。

文章にしてみて、それと照らし合わせて、繋がりを感じたりしている。

大湯さんから

ワークショップを行なっている。

必ず集まって月一回やっている。昔から。

毎回テーマを決めて、サービスについて考えるということをしている。

昼休み開けにみんなで 10 分アプリを使いましょうとか。

そういうところで、理念を感じるようにしている。

つまり、接触頻度と角度を高くすること。

 

Q3.

これは難しいなと思うことはあるか?

A3.

オオタさんから

Payme

SNSは面白くないなと思っている。

それを超えることは難しい。

カジュアルでありながら、発信したいことを出せているのか?ということが難しい。

有川さんから

それを、デカくなっても支えられる土台が大事だと思っている。

大湯さんから

人っぽくするのが難しい。

人っぽくするからミスもある。

人の感じは親しみを出すために出したほうがいい。

形式張ったものだと、人はミスに耐性がない。

 

Q4.

リブランディングを外に押し出す理由は?ぶっちゃけお客さんには関係ないよね?みたいな意見もあると思うが。

A4.

オオタさんから

社内だけで済む。だと一方通行になってしまう。

一方通行にしないことで、外を意識することができる。

そのサービスがどういう目をもっていているのかというのを表明する必要があると思う。

有川さんから

特になし。

大湯さんから

巻き込んだほうがいいと思っていて、

途中でのリブランディングだったので、ユーザと一緒に作ったんだよ感を出したかった。

ちょっと参加したことで、自分(ユーザ)も協力したんだよっていうことをして

仲間を増やすことができる。

 

Q5.

プロダクトドリブンだなと思った。プロダクトが先か?ブランドが先か?でいうとどう思っている?

A5.

オオタさんから

どちらが先というよりも、並走だと思う。

何でブランドやるかというと、プロダクトを伸ばした上で、さらに効率よく世の中に広まりやすいとかいうメリットがある。

有川さんから

サービスがあることによってなので、当然プロダクトから入ると思う。

それをより効率的に社会に出したいとか思うと、相乗効果があると思う。

大湯さんから

リブランディングは超大変です。

そういう意味でいうと、最初からちゃんと設計するべきものだとは思った。

ただ、ブランディングは後から付いてくるものだとも思っている。

最後に

Q6.

2020年を見越して、こういうデザインがいいんじゃないの?と思っていること

A6.

大湯さんから

VRが普及してくると思う。

普通の縦型のデザインから横型のデザインになるんじゃないかと想っている。

5gに関連してて、動きが大事になると思う。

動いているなかでも映えるデザインとか、そういうのがくると思っている。

有川さんから

デバイス依存が激しい。例えばiphoneとか。

あと2年くらいで、デバイス依存から解き放たれると思う。

目には見えないような部分でサービスが表現されていくと思う。

コミュニケーションだったりがそれにあたる。

そういう概念が生まれると思う。

オオタさんから

スタートアップをよく担当している理由としては

アイコン勝負なところがあるから。

ただ、今後はリアルな空間に今後サービスが出て行くとしたら、今のアイコンは映えないなと思う。

空間に依存していないデザインというのが重要になってくると思う。