【個人と組織が共にイノベーションする時代〜注目される複業・兼業の働き方〜】に参加しました

個人と組織が共にイノベーションする時代〜注目される複業・兼業の働き方〜
https://flexy.connpass.com/event/216837/
に行ってきたので、そのときのレポート

登壇者

  • 株式会社レクター 取締役 広木 大地 様
  • 株式会社BuySell Technologies 取締役CTO 今村 雅幸 様
  • 株式会社カオナビ CTO 松下 雅和 様

トークテーマ1;「個人としての複業・兼業」

広木さん
「今村さんとか復業とか兼業について思いとかありますか?」

今村さん
「基本的に推奨でいいと思っていて、どういう複業をするかだと思う。
それこそ、本業に生かせるものとか。
どのレイヤーの人でもだと思うが、基本的に 1 社のプロダクトのみ見ている状態の場合、限界がある。
他の会社はどうやってるんだろうとか、どうすればよりよくできるか?というところを見て、
本業にいかせたりすればいいと思っている。」

広木さん
「ご自身のキャリアの中で、目の前が開けたなっていうときに他の会社を見たりしたこととかあったんですか?」

今村さん
「ありましたね。2 つあって、自分で事業をやったことと、
あとは、同じような会社さんのヘルプに入ったこと。2 つとも、よかったと思う。
自分と知り合いの 2 人でやってる会社もあれば、採用したい技術スタックがあるが、
この技術はどこまで使えるのか?とか思ったときに触れたりしたので良かったと思う。
マネジメントの観点からいうと、同じことをしても、いる人によって上手くいくいかないというところが感じられたのでよかった。
そういう意味で、よそのとこの環境を身を持って知るっていうのは良い。
自分の会社で考えていることが全てではない、というのが感じられた」

広木さん
「何歳くらいのときの話ですか?」

今村さん
「27 歳くらいですね。」

広木さん
「そのくらいのタイミングで知れたのが良かったんですね」

今村さん
「そうですね。自分のやってることが全て正しいと思うが、そうじゃないのが分かったので良かった」

広木さん
「松下さんはご自身のキャリアで何かありますか?書籍とか書いてますが。」

松下さん
「そうですね。書籍ではないんですが、卒業した大学のゼミを手伝ったことがあった。
改めて、大学時代とは違う視点(社会への意義とか)が見れたので良かった」

広木さん
「リカレント教育じゃないが、研究室に久しぶりに顔出してみるとかも刺激があるかもですね。
松下さんのところでは、複業を推奨しているんですか?」

松下さん
「そうですね。推奨していて、自分の好きなことをして収入を増やすのもいいし、
エンジニアとしていろんな会社をみるのもメリットが大きいと思います。
web 系以外の製造業とかも知れるので、面白いし、自分のキャリアにもなると思う。」

広木さん
「複業しますって言ったらめちゃめちゃ忙しくなると思うかもしれないが、どうですか?」

松下さん
「カオナビでは、残業するのが悪のような文化があるので、会社としては仕組みが整っています。」

広木さん
「今村さんのところでは、前職とかで、兼業してる人がかなり忙しくなっちゃったみたいなことはないですか?」

今村さん
「前職だと複業らしい複業はしていなくて、本業にコミットしていたので、
土日で基本的にお手伝いするみたいなことがあったんで、忙しいのは忙しいけど、
もし平日もやったらコンテキストスイッチとか大変だなって思います」

広木さん
「松下さんはどうですか?平日の時間を使っていたんですか?」

松下さん
「そんなに大変ではないですね。1 時間とかくらいなので。」

広木さん
「お二人の話を聞くと、お金が儲かりそうだなっていうよりは、
自分の興味あることを学んだり、成長のためにやるんだったらいいんじゃないのっていうことなんですかね」

今村さん
「その通りですね。人によると思うんですけど、お金というよりは経験を積みたいって人はいますね。
なんだかんだ経験のほうがプラスになってたりしますね」

広木さん
「どこでもいいから複業したいよっていうよりは、
もしかしたら転職先候補とか、知りたいこととかで複業してみるとお得かもですね。
Flexy さんも複業してから転職するとかもあるらしいです。
僕もいろんな会社を手伝わさせてもらって、
世の中のエンジニアが抱えてる課題とかを目にすることが多くなって
全体感がわかって一般論とかも言えるようになったんで、たくさんの会社をみるっていいですよね」

今村さん
「井の中の蛙にならないのが大事ですね。
自分の力が本当に社会で役立つのかっていうのを確認するためにもいいですね」

広木さん
「組織として複業をどう活用するかみたいな話も今日しますが、
もし今日 YouTube みてらっしゃる方で個人として複業に質問やコメントがある方は教えてくれるとうれしいです。
まだ 3 年経ってないくらいのジュニアの人で、ちょっとお金ほしいから複業したいなって思っている人への注意点とかありますか?」

今村さん
「これは後半の話題に関わるかもですが、どの会社の複業をするかって、メインでやってる会社にとっては本人が思っている以上に重要だと思う。
例えば、競合の手伝いをしてたことになったとか、労働時間とか。気をつけたほうがいいなと思った。
複業の仕組みが整ってない会社ほど注意したほうがいいと思う。
だれかが注意してくれるとかは少ないので、細かいルールがある会社のほうがいいし、そういうのがないと気をつけたほうがいい。
それやってダメになって本業に影響が出たりしないように」

広木さん
「松下さんは複業始める人に何かあります?」

松下さん
「そうですね。本当に支障がないのかを考えたほうがいい。
例えば、株に張り付いて本業に支障が出てるとかあると思うが、複業でも同じことだと思うので
本業に影響がでないか考えたほうがいい。徐々に負荷を上げるとか。」

広木さん
「いま質問が来ていて、経験が浅いが複業できますか?という質問が来てますが、どうですか。」

今村さん
「そもそも本業で信頼値があってこそなので、かつ成果を出しているかで、
複業先の雇う側からしても、みんなそういうところを考えると思う。
そのベースを築くという意味でも。」

松下さん
「自分も同意で、やっぱり本業での信頼が大事だと思う。
本業で意見が通りにくいとかの状況になっちゃわないようにしないといけない。」

広木さん
「これ難しいですよね。例えば 3 年目でスキルがある人でも会社の中だとなかなか給料上がらない人とかいますよね。
そんな中で複業で 10 万もらえますとか言われると、考えちゃうことあると思う。
僕としては、トラブルがなければいいなと思う。
ふらっと知ってる会社だから契約しちゃったとか、反社チェックは自分でしないといけない。
Flexy さんの会社を通したりすると楽だよねとか。
もしかしたら始めるときに、本当に直でやっちゃうと困ることがあるので、間に会社を挟んだほうがいいかもしれないし、
ちょっとずつ時間を伸ばすとかが良いと思う」

今村さん
「そうですね。契約書とかも読めないと思うので、仲介とか挟んだほうがいいと思う」

広木さん
「学生のときに直でやりとりしてると、怪しい会社とかも経験してたので。笑
それで学んできたんで、僕はやったらいいんじゃない?とは自分は思うけど、
自分のキャパとのバランスの器用さは持ってたほうがいいかもですね」

広木さん
「さて、次のテーマにいけたらと思います。」

トークテーマ2;「組織としての複業・兼業」

 

広木さん
「複業が普及してきて、組織としての付き合い方を聞いていきたいと思います。」

松下さん
「カオナビとしては、社長がそもそも正しい働き方をしていれば複業しちゃだめな理由がわからないというスタンス。
複業先で得た知見を還元してくれるし、その人にとっても良い人生になる。
お互いにとってメリットのある制度になっている。温泉で働いてる人もいますね」

広木さん
「温泉で働くのいいですね。リモートが普及してきて、趣味をしながら仕事とかもできるかもですね。
そういうのが当たり前になってきたときに、私温泉で働きたいので転職しますとか、そういうネガティヴな面ってありますか?」

松下さん
「相互選択関係という文化があって、企業と個人の相互にとって良いものを正としようという考え方がある。
そこで、転職したほうがその人のためになると考えるなら、それは正しいと思っている。
もちろん抜けられるのは痛手だが、そういうもんだと思っている。」

広木さん
「ロイヤリティーよりもエンゲージってことですね。
そういうのを作るのって結構難しいと思うんですけど、苦労とかありますか?」

松下さん
「属人性を排除しないと、その人が抜けると仕事できないとなるので、
人の入れ替わりを許容できる体制を作っていかないといけないなと思います。」

広木さん
「属人化減らす話で、俺いなくても回るから辞めてもいいかなって思う人もいると思うが、どうですか?」

松下さん
「帰属意識のバランスが大事だと思う。カオナビで働きたいっていう気持ちをどれだけ提供できるかだと思っている。」

広木さん
「いまどのくらいの人の割合が複業されてるんですか?」

松下さん
「5, 6 人に一人くらいしてますね。」

広木さん
「残業時間が少ない分、複業してるってことなんですかね。
ちなみに、今村さんがおっしゃってたような、複業先の競合調査みたいなチェックとかしているんですか?」

松下さん
「稟議を通してチェックしてますね。複業じゃないかとか、業務時間が本業に影響しないかとか.」

広木さん
「ちなみにどれくらいの時間なら良いんですか?」

松下さん
「月に 20,30 くらいだといいですけど、40,50 になってくると土日潰して残業とかになるので、考えますね」

広木さん
「月に 20,30 くらいの複業を受け入れるってことはカオナビさんではしているんですか?」

松下さん
「まだあまりできていなくて、週 3 本業で 2 日は複業って人はいますね。それ以上の人はまだいないですね。」

広木さん
「複業先って、カオナビさんみたいに残業しない企業だと、時間が合わなくなってくると思う。
本業後に複業を受け入れると、残業してしなきゃいけないみたいな状況になると思いますが、どうですか?」

松下さん
「スーパーフレックスという制度があるので、そこは柔軟にしている。
たとえば海外で働いている人もいて昼夜逆転もしている。」

広木さん
「複業を許可するしないという部分について、これまで取り組んできたことありますか?」

今村さん
「許可せざるおえないという感じですね。経営目線でいうと、本人を守るということのリスクヘッジを考えている。
カオナビさんと同じで稼働時間とか。最低限の仕組みは用意したいと思っている。
会社としては、推奨するというよりは、禁止できないという感じですね。
複業した結果転職しますって人もいましたし、その前提で自社が良いと思ってくれたほうがいいとか。」

広木さん
「実際いま聴いてらっしゃるかたで、複業を許可せざるおえないとかあると思います。
例えば採用してて、
「複業していいですか?」って聞かれて
「ダメですよ」ってなると音信不通になったりする。
さっき松下さんがおっしゃってたように相互選択の話も作るのが大変で、ポンポンやめちゃうみたいな話があるので、難しいですよね。
複業取り入れようとしている会社の人もいると思いますが、契約形態とかって絞ったりするんですか?」

松下さん
「そこは絞ってないですね。正社員は NG ですが。」

広木さん
「複業の申請を断ったこととかあります?」

今村さん
「98%くらいは通ってますね。残りは、それこそ競合をやろうとしてるとか。まぁでもほとんど通してますね。」

広木さん
「難しいなと思うのが、IT コングロマリットとかあるので、実は競合になりますとかありそうですね。
カオナビさんとかどうですか?例えば HR テック NG とか。」

松下さん
「そうですね、HR テックがどこまでかというのは難しいですが。
一部かぶってるところとかあるので、難しいですよね。」

広木さん
「急に始めるとこもありますよね。例えば Wantedly さんが新しいのを始めたから途中からダメとか。そういうことありましたか?」

松下さん
「これまではないですが、気をつけていかないといけないなとか。」

広木さん
「競合から来てくれる分には歓迎ですか?」

今村さん
「僕らは歓迎ですね。もちろんビジネスのコアになるノウハウとか関わると事件になるので、
ルールを細かくしたりしてリスクヘッジはしています。」

広木さん
「質問がありますね。CA は社内複業するようになった。そういうのどう思います?」

今村さん
「シンプルに、外でやって辞められるなら中でやったほうがいいと思いますね。
あとは規模もありますしね。規模が大きいと成立するとか。」

広木さん
「違法残業とかに繋がる可能性もあるから、そういうの大変だなとは思いますね。
松下さんの会社でカオナビさんで事業を跨いで複業とかありますか?」

松下さん
「あまりないですね。スクラムマスターとかは横断的にやらないといけない人はいますが。」

広木さん
「若い内からいろんな経験積みたいので焦ってますみたいなコメントきてますね」

今村さん
「SNS とか普及してきて、活躍している人とか広告とかもあるので、焦る気持ちとか昔に比べてあるかもですね。
やっぱり与えられたフィールドでしっかりと評価される良い会社なんだとしたら、そこでしっかり成果を出したほうがいいかなと思う。
特に若いうちは。」

広木さん
「エンジニア業界だと転職あたりまえってありますけど、世の中で複業が広まったとしたら
時間的余裕で別なことしましょうとかあるかもだし、定年後に短い時間で働くとかも増えていくかと思って、
エンジニア・デザイナーも part time job の人が増えていくと思う。
そういうことで考えていることってありますか?」

今村さん
「ノウハウを持ってるベテランというふうに仮定するのであれば、
どううまく経験や知識をうまく組織に取り入れるのかみたいな仕組み作りはブラッシュアップできるのかなと思う。
例えば技術顧問とか、同じ時間を過ごしてても組織への還元力の違いとかあると思うんですよね。
何をすればいいのかっていうのはもっと議論されてもいいかなと思います。僕自身も模索中ですね。」

広木さん
「カオナビさんとか、将来複業の人が増えていく社会にどういう戦略を持ってるとかありますか?」

松下さん
「カオナビとしては、その人自身のポートフォリオみたいなものが組織に帰属してしまうところを
転職先にも渡すことで個人のスキルや能力をポータブルに持ち運べるとかしていきたいなと思います。」

広木さん
「YouTube で質問が来てます。複業人材で魅力的な人ってどんな人ですか?」

今村さん
「一番わかりやすいのは、何かのスペシャリストだとわかりやすいですね。
どのスキルでもいいんだが、この人だったら課題解決してくれそうとか、そういう人は魅力的ですね。」

広木さん
「具体的にこういう課題解決をしたことあります、っていう人のほうが嬉しい?」

今村さん
「どういう課題を解決してきたか、っていうのをちゃんと語れると良いと思う。」

広木さん
「松下さんはこれから複業を受け入れると思いますが、採用したいなと思う人はどんな人ですか?」

松下さん
「今村さんと同じなんですが、オンボーディングをどれだけ早く終えられるかとか、企業の文化に合うとかみてますね」

広木さん
「正直めっちゃマッチしてる人いたら口説きますよね。
採用する側からしたら、複業できて採用したいって理想的だと思うんですよね。」

今村さん
「いたかいなかったかでいうと、いましたね。フリーランスの人を正社員にしたりとか。」

広木さん
「難しいですよね。複業して経験積んで帰ってきてほしい面もあるけど、
来た側からすると、複業から正社員になってほしいって思いますし。」

広木さん
「質問きてますね。
60歳定年間近なメーカーのエンジニアです。経験を別の業界で活かせることを夢見ています。私をうまく使ってって感じです。」

今村さん
「これまさに、似たような人を採用したことあります。
ソフトウェア企業がハードウェアやるってなるとノウハウがないため、違う業界の人を採用したりした。
その人としても、既存の知識を違う業界に役立たせられるので、そういう人は意外にいると思う。」

広木さん
「そういう人は多そうですね。
人材会社の人は、言語や経験年数がマッチしてるとかを見ているが、
CTO の話きくと、違う業界の人がパフォーマンス発揮してくれたとかあるので、
こういうケースは全然あると思う。」

クロージング

広木さん
「では、今回お話しての感じたこととかお願いします」

今村さん
「複業は 1 エンジニアとして良い機会というスタンスは変わらないです。
エンジニアにとっては複業の機会っていうのは増えていくと思う。
コロナになって、リモートワークも根づき出しているので、やりやすいと思う。
ある程度他の世界を見てチャレンジするのは良いと思う。」

松下さん
「カオナビとしては兼業推奨しているし、これからは特化した人が兼業として来ていただくこともある。
それを当たり前にしていきたいと思う。。
いろんな方がいろんな働き方ができる世界がカオナビからできれば良いと思う。」

広木さん
「やっぱり経営者になったときに、この変化の対応は企業にとって強みにしたいが弱みにしたくないので
そういうバランスが求められていると思う。
そういうのをうまく活用できている事例とかノウハウをキャッチアップしていくのが今後必要かなぁと思う。」

【CTOmeetup】CTO・テックリードのその先は…に行ってきました

好評につき増席CTOmeetupCTO・テックリードのその先は

https://flexy.connpass.com/event/149487/

に参加してきたので、そのときのレポート

登壇者の方

  • ファシリテーター 株式会社 一休 執行役員CTO 伊藤 直也 様
  • グリー株式会社 取締役 上級執行役員 最高技術責任者 藤本 真樹 様
  • 株式会社メルカリ 執行役員CTO 名村 卓 様
  • ヤフー株式会社 取締役 常務執行役員 CTO 藤門 千明 様

パネルディスカッション1:「CTO・テックリードのその先はどうしたいのか?どうなりたいのか?」

自己紹介兼、今回のテーマについて

伊藤さん

「CTO になって最初はマネジメントしていなかった

しかし、組織体制に問題を感じて、それを壊そうと思ったところが発端です。」

藤本さん

「人数もだけど、プロダクトの数も仕事の仕方に関わるかなとも思っている。

最近プロダクションのコードは書いてない。

エンジニアリングとマネジメントのバランスについては

どっちもやればいいと思っている。

特にバランスをもつことに意味があると思っていない。

ので、分からないことがあれば調べるをずっとしている。

だが、知識がついていなくて不安になることがある。

その不安がどこからくるのかと考えたときに

「自分はこういうマネジメントができます」と自信もっていえることが大事だと思う。

あとは、例えば、むりやり登壇に手をあげて自分を奮い立たせるとかしている。

まとめると、業務ではエンジニアリングは手を出していない。

なぜなら、サービスが多く、それぞれのアーキテクチャを把握するのが難しいから。」

名村さん

「最近までエンジニアリングをやっていたので、バランスと言われると難しいが

最近はコードは書いていない。

最近までは、US のアーキテクチャをマイクロサービスするときに

指揮をとったりしていた。

CTO という肩書きの人が現場に入ってコードを書くと

現場が萎縮してしまうのではないかと思っている。

そのため、現場が機能するための組織づくりをするべきだと考えている。

例えば、マイクロサービスにすると、みんなが自由に動けるのではないかとか、

デプロイフローを刷新してみたらどうかとか、そういうことを考えている。

ので、ヒューマンマネジメントというよりは、テクニカルマネジメントをしている。」

藤門さん

「社員が 3000 人いるのだが、そんなにいると、

自分がコードを書くことはない。

会社としては、新しいことをどんどん始めていこうとしているので

そこで意思決定をするのが、メインの仕事になっている。

バグが起きた時に、どのようにして解決するのかではなく、それをどう意思決定するかとか。

また、PayPayが最近問題を起こしたが、そのプロダクトをどう安定するかとかを考えたりしている。

コードどれくらい書くか?と言われたら、基本まかせているので困っていないが、

現場は未来のことを後回しにしてしまうことがある(足元を見てしまう)ことがあるので

自分で未来に活きるコードを書いて、提案してみたりしている。

また、社内でハッカソンがあるが、それで、一番最初に発表する役とかやっている。

(もの作れることを示さないといけないので)」

お題:「マネジメントは他の人に任せているんですか?」

名村さん

「そうですね。こういうエンジニア組織にしたいんだけど、という抽象的な依頼を

VPoE に頼むようにしている。」

藤本さん

「気をつけていることはありますか?」

名村さん

「熱く語ろうとか、こういうことを浸透させようとか、そういうことをしている。

自分が 300 人とかの単位のエンジニア組織のエンジニアだったときに

こういう組織だったら楽しいだろうということを意識するようにしている。

1on1 はしまくっている。予定がびっしり埋まっている。」

伊藤さん

「藤本さんはマネジメントはしていないんですか?」

藤本さん

「自分が担当する範囲を決めてやっている。

プロダクトや、エンジニアに関してのマネジメントは別の人にやってもらっている。」

伊藤さん

「名村さんは自分ができないことを他の人にやってもらっている感じですか?」

名村さん

「そうですね。例えばバックエンドの人にマイクロサービスのアーキテクチャを見てもらっていたりしている。」

伊藤さん

「藤本さんはどちらかというと、分散させるために分けている感じですか?」

藤本さん

「そうですね。

自分はそういうのはやらないという設定は大事だと思っている。」

藤門さん

yahoo 3つの部門がそれぞれ 1000 人くらいいる

以前、その 1 つの部門をみていた。

そこでわかったのは、1000人をみると、死ぬということ

例えば、何か問題が起こったり、解決したりを 1000 人分やっていくと

CTO の業務ができないということがわかった。

ちょっとの問題が自分のところにあがってくるまでに、すごい問題になったりする。

来た瞬間に絶望することもある。

そこで、社長に懇願して、ピュアな CTO をやらせてもらうようにした。

なるべく、マネジメントとエンジニアリングのバランスをとるためには、

人数を分割するのが大事だと思っている。」

伊藤さん

「自分のところは、なんとなくゆるくで、人数を分割している。

バランスについては、とにかく時間を空けるようにして、開発をするようにしている。

何か技術的な問題があったときには、自分が意思決定したほうがスッキリすることがある。

現場で答えが出ていなくてモヤモヤしているときに、自分がズバッと答えを出すことがある。

自分の時間をどうするかというのが、CTO スキルの一つだと思っている。」

藤門さん

「自分の上司はデータで分析するのが好きなので、

社員の仕事の予定を分析して、可視化して、指摘をしてくれる

例えば、MTG しすぎとか、出張しすぎとか。

そういうところから、時間の使い方を見直すことがある。」

伊藤さん

「自分も、部下の予定をマネジメントすることもある。」

藤本さん

AWS CTO も、金曜日の夜は予定を絶対に入れないなどの工夫をしているらしい。

その時間で何か調べ物をしたりとかしている。」

伊藤さん:「次の質問です。「経営に関わってますか?」

藤本さん

「関わっている。

これはやめたほうがいいとか、そういう指摘をよくしている。

みんな新しいことをやりたがるが、そういうのをやらないように止めるのが最近大事だと思っている。

うちの会社はいろいろやって、伸びるサービスもあれば、ダメになるサービスもある。

そんななかで、勝つべくして勝つという考え方が大事だと思っている。

やらないことはやらないという判断を大事だと思っている。

なので、経営の関わりかたは、これはやらないほうがいいと削ぎ落とすことをしている。」

伊藤さん

「経営メンバーとして、技術担当ではない役員の人とどのように接してますか?」

藤本さん

「分からないのなら、ただ、こうですよということだけ言う。

ただ、そのためにはクレジット(信頼)も大事だと思う。

「藤本さんがこういうなら」という環境にするのが大事。」

藤門さん

「経営で大事なのは、一緒に事業戦略を考えること。

事業が決まってそれをエンジニアが、はいやりますというのはよくないと思っている。

20年後30年後の yahoo はどうなっているべきかというのを一緒に考えられるということ。

そのために、役員の人と一緒にランチを食べ、事業戦略を熱く語ったりしている。

その際に、今世界の技術はこうなっていて、どういうことができるよっていうのを

分かりやすく伝えるようにしている。

なので、普段から話す時間をよくとるようにしているし、CTO としてそれに一番時間をかけていると思う。」

名村さん

「逆にメルカリは、役員が分かってくれやすい。

逆に現場に落とすのが大変。

現場で、「なんでマイクロサービスやるの?」という意見が出たりする。」

伊藤さん

「自分は、信頼を得るようにして、

ナオヤさんがそういうならそうなんでしょ、と分かってもらうようにしたりしている。」

ここで一旦休憩。休憩中の会話

伊藤さん

「採用ってどのくらい関わってますか?」

藤門さん

「新卒には関わらないけど、中途とかは、ビジョンに共感しているかとか、関わっている。」

名村さん

「関わっているけど、あまり落としたりはしない。

というのも、最終的な期待値の認識合わせだけしているから。」

伊藤さん

「僕はみなさんに比べるとめっちゃ関わっているな。

全然落としたりしているんで。」

藤本さん

「こういう場所で、マネジメントを語るのって難しいよね

どう思われているのかって思って。」

伊藤さん

「そうですよね。

技術で間違ったこと言ってても、それは技術の間違いになるけど

マネジメントだったら下手したら炎上しますもんね。」

パネルディスカッション2:「事前アンケートより内容を選出」

伊藤さん

「個人的に話したかったことがあるんですが、、、

「あとから雇われて CTO になったときに気をつけること」はなんですか?という質問について話したいと思います。」

伊藤さん

「僕とみなさんの大きな違いは

システムのことが全く分からないという自体に陥った。

そこで何が起こるかというと、

1, 2 年経って、システムが分かってないと話ができなくなってしまう。

また、周りも 1, 2 年は周りも「知らないんだな」と思うくらいだけど

3 年経っても分かってないと「この人はわかる気がないんだな」と思われてしまう。

だが、そこを切り崩すのは難しいと思う。

自分の場合は、技術的負債をバッサリ落とすというきっかけがあったので

そのときにカバーできたが、きっかけがないと難しいと思う。」

名村さん

「最初からいる人と、途中から入ってきた人の壁があって、

「なんだこの新参者は」と思われてしまうことはあるので、

そういう意味でもマイクロサービス化が大事かなと思っている。

そういうところを切り崩していくのが大事かと思っている。」

伊藤さん

「以前、藤本さんと一緒に仕事しているときに

不具合が起こると、自分は「大丈夫?」しか言えないが、

藤本さんがさっと解決してくれたことがあった

そうなると「自分の存在価値はなんなのか?」と思ってしまう。」

伊藤さん

「自分たちは、また別の企業に中途で入って CTO をやることあると思うが、

最初は頑張らないといけないですよね。

切り込みが失敗すると本当に辛いので。」

藤門さん

「たくさん事業やると、たくさん失敗する。

そのときに、技術のせいにされることがあると思う

例えば、スピードが遅いとか、アーキテクチャが悪いとか

そのときに、自分はいいポイントだと思っていて、

自分が責任をとるということだと思う。

現場には現場の解決を全力で任せて

自分は上の人ことを把握するようにする。

すると、上の意見を全て把握しなければいけないし、

現場の不満も把握しなければいけない。

そういうタイミングが切り込むタイミングだと思っている。」

伊藤さん:「次の質問です。失敗談はなんですか?」

藤本さん

「最初にレイヤー(組織)を作るときに、なんとなく向き合わないで、こんな感じと決めたら

エンジニア 10 人くらいで MTG してたら、全員がキレて MTG を退席してしまったことがあった。

これは辛かった。」

伊藤さん

「よくその状態から、今の状態になりましたね。」

藤本さん

「当時、自分がスーパープレイヤーだと思っていたが、

組織がうまく回るために注力するのが自分の仕事だと気づくことができたから、今があると思う。」

名村さん

「このあいだ別の meetup で話したときに、自分たちはグローバルテックカンパニーですって言ったんだけど

言わなきゃよかったと思った。

それを言ってしまって、社員から「自分たちは Google みたいにならないといけないのか?」という不満がでた。

なので、変な背伸びや期待値をあげることはよくないなと思っている。

良い人が離れて言っているフェーズなので笑「こんな会社じゃないと思った」みたいな笑」

藤門さん

「自分が現場に入ってしまって解決してしまうことがあるが、

モノができてしまうのが悪いことじゃなくて、

組織がもめていることが悪いことだった。

なので、こうすればもっと早くできたとか、そういうことはある。

なので、自分の解決策が良いとは限らないということ。

例えば、テックリードの時期とかはそういうことがよく起きるんですけど、

テックリードは自分がとても技術的にできてしまう(イキってしまう)時期でもある。

そういう人に、ここの組織に入って問題解決してよとか言うと、すぐに

「この技術が悪いんだよ」とか言ってしまう。

ので、解決する際に技術から入るのはよくないと思う。」

藤本さん

「そういうテックリードがいたら、CTO としてどうしますか?」

藤門さん

「しばらくやらせてみますね。」

伊藤さん:「次の質問です。事業成果を出せたと思うことはありますか?」

伊藤さん

CTO になると、事業成果から切り離されますよね。」

藤門さん

「自分が CTO なりたてのときに、一休を買収したいと言われた。

そのときに、一休のドキュメントをみたときに全く分からなかった。

(自分たちはこれまで linux ベースのシステムだったが、一休は windows ベースだった)

それに対して、1週間で答えを出せと言われたときが大変だった。」

伊藤さん:「次の質問です。信用を得るためにどうしていますか?」

伊藤さん

「大事なのは、エンジニアの立場に立たないということだと思う。

例えば、エンジニアの立場に立つと勤怠とかにも目がいってしまう

そういうことから切り離すのが大事だと思っている。」

藤門さん

「一旦話を聞く。怒りを受け止めるというのが大事だと思う。」

名村さん

「ビジネスサイドに向き合うことが大事。

エンジニアの正論をぶつけちゃうと会社はなりたたないので、

歩み寄ることが大事だと思っている。」

藤本さん

「(自分は)信用があるのかという問題に気づいた笑」

伊藤さん:「次の質問です。CTO をやめるときはどうしていますか?」

伊藤さん

「普通ですよ。単に辞めたいと言った。」

名村さん

「僕の場合は、言う順番は気をつけた。

まずは社長に言って、現場に落とすときはどのようにコミュニケーションとるかっていうのは相談した。

あと、転職先にも内密にしてくださいとお願いした。」

伊藤さん:「次の質問、メンタルの持ち直しはどうしていますか?」

伊藤さん

「これは、相手がっていう意味ですよね?」

藤本さん

「共感することは良いことではないと思う。

なぜなら相手にプラスにならないから。

一緒に辛くなったら前に進めないから。」

伊藤さん:「次の質問です。情報収集はどうしていますか?」

藤本さん

社内のチャンネルで勝手に流れているから、それを見ている。

伊藤さん

「僕はそこに少し考えるところがあって、

昨今のトレンドを追い続けないと、今後やっていけないのかどうか?と思っている。みなさんどうですか?」

名村さん

「愛読書みたいなものはある。

hacker news とか。

あとは社内の slack に流れてくるものとか。」

伊藤さん

「最近は情報が多すぎて、そこら辺の感覚がよく分かっていない。」

藤本さん

「そこは取捨選択するのが大事だと思っている。」

藤門さん

「一次情報を大事にしている。

特に標準仕様の動き、例えば W3C や WHATWG をよく見ている。

論文だと例えば、facebook research もよく見ている。」

伊藤さん:「次の質問です。セキュリティへの投資はどう言う判断軸にしていますか?」

藤本さん

「昔、そういうところのコストを削っていた時期があったが、

心配されることがあって、そこからしっかりするようにした。」

伊藤さん

「自分は役割を分けている。

セキュリティをやる人と、CTO は別なほうがいいと思う。

CTO がオフェンスをやっているのに、セキュリティをやってしまったら、

それが削がれてしまうと思う。

ので、セキュリティは別な人に任せるようにしている。」

藤本さん

「プロダクションのサーバより、オフィスからやられることのほうが多いので、

そういうのは気をつけたほうがいい。そっちに投資すべき」

伊藤さん:「次の質問です。エンジニアの評価のバランスはどうとっているか?」

藤本さん

「開発とそれ以外で、担当を分けている。

開発は雑に言えば能力の部分を見ている。」

名村さん

「できてない部分が多くて、今作っているところです。

現状だと、マネージャーに任せているので、そこを整理したいと思っている。

なので、メルカリに関しては、バランスが取れていないと思う。」

藤門さん

「相関があって、

ビジネスのことも考えられる人はエンジニアスキルも高いので

そういう意味でバランスをとっている。」

伊藤さん

「うちの会社はまだ 50 人くらいなので

制度をよくするというよりは、僕が立ち会って納得感を出すようにしている。

あんまり問題は起こってないです。」

伊藤さん:「次の質問です。採用・不採用で大事にしていることはあるか?」

藤本さん

「自分の意見と他人の意見を同じ地平で考えられるかどうか。

自分の意見を第三者的にみて、ふらっとに考えられるかどうか、

という人しか取らないようにしている。」

伊藤さん

「それはどうやって見極めるんですか?」

藤本さん

「そういう議論を振ったりしている。」

名村さん

「こういう人はやめたほうがいいなと思う人は

意識が自分に向いている人。

評価だったり、価値だったりを、自分に矢印が向いている人」

伊藤さん

「それはどうやって見極めるんですか?」

名村さん

「期待値を下げると、そういうのをリジェクトできる。」

藤門さん

「カルチャーフィットするかを考えている。

いま、いろんな国籍の人と一緒に仕事することが多いので、

まずはカルチャーフィットを見るようにしている。

あとは、名村さんも言っていたが、期待値を下げるのもある。

例えば、AIエンジニアって綺麗そうな仕事に見えるけど、実は泥臭い世界。

そういう泥臭い仕事もできる人ですか?っていうのを聞くようにしている。」

伊藤さん

「僕は、現場が人欲しさにとっちゃわないかを見るようにしている。

基準がゆるまってないかをちゃんと見るようにしている。」

伊藤さん:「次の質問です。CTO が必要だと思いますか?」

名村さん

「メルカリの場合は、1プロダクトなので、

技術的負債が溜まっていったら会社として危ない。

だが、子会社が 100 社ありますとかいう会社で、全部に CTO が必要かと言われたら分からない。」

~今後とその先についてのディスカッション~

名村さん

「あんまり考えていないが、

会社と事業を伸ばすことを今はずっと考えているが、その先がどうなるかは分からない。」

伊藤さん

「僕らって同年代なんですけど、

これより上の年代の CTO の方ってあまりいない。

そういう意味でも分からない。」

藤本さん

「やりたいことやればいいと思う笑」

【コネヒトーク5th「ママリ、クックパッド、BASEのCTOが語る!組織づくりや技術選定について」】に行ってきました

コネヒトーク5th「ママリ、クックパッド、BASECTOが語る!組織づくりや技術選定について」

https://connehito.connpass.com/event/141459/

に行ってきたので、そのときのレポートです。

自己紹介

コネヒト CTO:伊藤さん

クックパッド CTO:成田さん

BASE CTO:川口さん

お題1:「CTO を打診されたときや、就任時の心境は?」

共通点として、それぞれ、2代目 CTO であること。

それを踏まえてのディスカッション。

川口さん

CTO になる前は、漠然と、同じようなテックリードなどを育てていくことになると、キャリアパスを考えていた。

ある日、初代 CTO の方から、CTO やらないか?と言われた。

理由を聞くと「まかなわなければいけない範囲をまかないきれなくなったので」だった。

そこで、技術に特化した範囲を担当する(経営にはあまり触れない)範囲であれば、やりますとなった。

伊藤さん

CTO に、ランチのときに、やってくれないか?と言われた。

CTO は辞めて、新しいチャレンジをしたいという背景だった。

迷ったが、迷ったら一番難しいことをやろうと決めていたので、やりますと回答した。

また、CTO という責任のあることをやるのはやりがいがあると思った。

成田さん

CTO になったのは結構前(2016年)

打診を受けたときは、ワクワクした。(「やっていいんだ」と思った)

もともと、CTO になったらやってみたいことがいくつかあった。

前の CTO を見ていても、自分だったらもっと上手くできると思う部分があった。

ただ、数年経って、前の CTO を改めて思い起こすこともでてきた。

お題2:「CTO って何をしているのか?」

川口さん

今日は、採用関係のことをしたり、技術マネージャーと MTG したりとか

リリース関係の優先度の判断をしたりとかを主にしていた。

結構 CTO になってから、採用周りの仕事は増えた。

質問:前 CTO との住み分けはどうしているんですか?

面接に来たひとにとっては、前 CTO が判断したほうがいいときとかもあって、

会社経営に関しても、前 CTO に任せている。

川口さんは、プロダクトに責任をもつようにしている。

成田さん

CTO として、いま困っていることをやるのではなくて

1 年後とか 3 年後とかに困りそうなことを対応しなくてはいけない。

そのためにはインプットが必要で、

あらゆるエンジニアの分報を確認したり、他の CTO の方の話を聞きに行ったりしている。

伊藤さん

経営会議などに出たりしている。

マネージメント業務を意図して自分に寄せている。

コードは書きたい気持ちもあるが、その気持ちは抑えて、

戦略を考える時間を多くするようにしている。

お題3:「事業会社の CTO としての大変さは?」

例えば、事業会社だと、0 -> 1 でスクラッチで開発する機会が少なく、

挑戦だったりモチベーションの対応とかどうやっているのか?

成田さん

クックパッドは 20 年近いシステム

それを改善していくのが日頃の業務。

確かに、技術的なチャレンジをどうするか?

グロースするにしても、CM 打ってもあまり変わらないとか、アプリランキングが上がっても下がっても売上に影響ないとか。

そういうフェーズに来ている。

なので、日頃の業務が楽しいと思える人が活躍できる現場になっている。

成田さんは、そういう中で、現場のモチベーションを保つように意識している。

伊藤さん

ある程度、新しい技術を取り入れる事に関しては

方向性を示していかないといけないのかなと思っている。

川口さん

PHP 界隈では大きなシステムになってきている。

逆に、PHP 書けないと入社できないのかなと思われるのが良くないと思っている。

そこで、新しい技術を取り入れることも考えるが、

PHP で作ったほうがスピードが早かったりもする。

そういう面で、悩んだりはする。

成田さん

そういう時に、マイクロサービスなのかなと思っていて、

マイクロサービスは失敗がしやすいと思っている。

新人が入って来た場合は、既存の技術スタックを学ばないといけない側面があるが、

失敗がしづらいと思っている。

成田さん含め、失敗してきて積み重ねてきたのが今を作っている。

Rails 以外にもバックエンドだと、Go, Rust, Java など使っている。

質問:ハレーションなどはありませんでしたか?

既存のシステム構成だと、デプロイのスピードが早いというメリットがあったが、

マイクロサービスを取り入れると、整っていない環境になってしまうので、

メリットが感じられず、反対意見が多かった。

環境が整うと、誰も何も言われなくなった。

Q & A

Q1CTO をしている上で、決断を迫られるとき、苦境に立たされたときにどのようなモチベーションを保つようにしているか?

成田さん

苦境はメッチャある。

苦境は基本、人にある。

目の前にいる人が働いていて楽しくないとか、そういうことが苦境になる。

そういうときのモチベーションはサービスにある。

会社の中の揉め事は、サービスに関係ない。

川口さん

成田さんとほとんど同じ。

僕らが立ち止まっていても、お客さんは知ったことではない。

サービスを使っているのはお客さんなので、

決断を求められたときの判断材料は、サービスのためになるかどうか。

伊藤さん

二人とほとんど一緒。

最後の判断基準はプロダクトだなぁと思っている。

サービスのことを考えて、意思決定をするようにしている。

成田さん

もともと成田さんはインフラをやっていたので、ログをよくみていた。

それが心の支えだった。(ログの向こうに、ユーザを感じることができる)

エンジニアがクックパッドに入るが、相性が合わずに辞めていくことが残念だと思うが

それよりもサービスが止まっていることのほうが問題。

川口さん

同じく、サービスが止まっていて一番困るのはお客さん。

また、それぞれのエンジニアの中で、サービスが止まっているときの不信感を考えながら

判断をするようにしている。

Q2:「それぞれの理想の CTO はいますか?」

伊藤さん

ないです。

その中で、前職の CTO の人が、どんどん周りを引っ張っていくタイプだったが

その人に「同じようなことができない」と言ったところ

「自分にしかできないことがあるので、同じようにしなくてもよい」と言われた。

なので、明確な理想はなくて、自分で作っていくしかないんだろうなと思っている。

川口さん

ユーザになりきれないサービスを担当していて、困ったことがあったが、

やっぱり、いとうなおやさんはすごいなと思う。

成田さん

従業員がユーザになれるサービスはとてもいいと思う。

伊藤さん

ママリとかは、男はどうしてもユーザになれないが

そこは、ユーザではないからこそできることもあると思っている。

それが、データドリブンだったりとかそういう手段があると思う。

そもそも、コネヒトとして掲げているものがあるので、そこをモチベーションにしていることもある

川口さん

前職で、乙女ゲームをしていたが

会社ではユーザではなくお姫様と呼ぼうと言われていた。

ので、いまだにユーザと呼ぶとドキドキする。

成田さん

自分も同じで、前職はユーザと呼んでいなかったので

クックパッドでユーザと呼んでいるとドキドキする。

Q3:「中長期の技術戦略を考える上で、どういった進め方をしているのか?例えば、製品に直接関わらない技術改革などを、どうしているのか?」

成田さん

あまりそういうことは、現状していない。

いままでの CTO やエンジニアを踏襲しているフェーズ。なので変えてない。

未来に向けて動くというのは、そういうところではなくて、どっちかというと

インサイト:従業員の気づいていないことにどう気づくか?

に目を向けるようにしている。

なので、過去 3 年分の記録を追ったりして、みんなが気づけないことに気づくようにしている。

長期的に見る目線が大事。

伊藤さん

まだ行動に移せていることはないが、

伊藤さんが CTO になったときに、経営陣が刷新された。

新しい経営陣のビジョン等を聞いて、CTO としてどうコミットできるかを考えているところです。

川口さん

経営に関することは、他の人に任せていて、

技術戦略を考えないといけないが、いまはまだできていない。

そこで、3 年後とかのために、材料を集めているところ。

成田さん

採用を通す人が変わった。

この人が入ると会社が変わるのかな?という目線で考えるようになった。

現場にちょっとと思う人でも、会社にとって良い行動を起こしてくれる人なども

採用していかなければなと思っている。

お題4:「CTO として今後やっていきたいことは?」

成田さん

成田さんが CTO をやっている理由が、クックパッドのミッションを達成するのが好きだから。

だが、結局は人だと思う。

成田さんが学生のころ、友達の部屋によく遊びに行っていた。

そういう、みんなが集まるような場にクックパッドもしたいと思うようになった。

そういう文化が、組織を強くして、サービスを強くするんだと思うようになった。

川口さん

いまのサービスを日本で 1 番にしたい。

ただ、その思いは、自分がインターネットが好きだから。

だからこそ、インターネットに貢献したい気持ちがある。

CTO は責任をもらっていて、それが重要だと思う。

最終的な決定権は CTO になると思う。

採用に関しても、インターネットに貢献できる人を採用できるようになったのが良かったと思っている。

伊藤さん

家族を幸せにするサービスを作りたいと思っている。

伊藤さんは自由に育てられた。それをなんとも思っていなかったが

大人になって、恵まれていたと思うようになった。

家族に対して、幸せにしたいと思うようになった。

そこにコミットしていきたいと思うようになった。

CTO として、そういうことをしていきたいと思うようになった。

ビジネスにテクノロジーが貢献している会社がテックカンパニーだと思う。

家族を幸せにしたいというビジョンに対して、テクノロジーを使って貢献していきたいと思っている。